伏拝王子

─ふしおがみおうじ─

京都から約300km、さらに遠くから熊野本宮を目指し難業苦行を続けた人々は、ここ、伏拝王子で初めて熊野本宮大社を目にすることが出来る。旅の苦労を思うと、ここで思わず伏して本宮大社を拝んでしまうのは当然のことだろう。伏拝王子の名の所以はこの辺りにあるのだろう。
遠くは熊野古道最大の難所、大雲取、小雲取の山並みが広がり、その奥は那智の瀧の水源となる深い山並みが続く。本宮からは30数?一般的には2日間コースだが、現在も山伏は1日で難所越えをする。
王子の石碑の隣には中世の歌人、和泉式部の供養塔がある。和泉式部が熊野詣の途中月の障りとなった。一般に神は不浄を嫌うとされるから、和泉式部は身の不運を嘆き詩を詠んだ。その夜熊野権現が夢枕に現れ返しの詩を詠んだとされる。浄、不浄を問わない熊野権現の大きさに心を打たれ、喜んで熊野詣を続けたと言う伝承の残る地。

伏拝王子 No.1 伏拝王子 No.2