発心門王子⇒熊野本宮大社

─まずはスタンダードコースに挑戦─

熊野古道の中でも中心となる中辺路。その中辺路の核心部発心門から本宮大社までは約7km。
比較的高低差の少ない、歩きやすいコースで、山里を縫うように現在生活道路として利用されている熊野古道と、古くは平安時代から続く昔ながらの熊野古道が混成する、中辺路ルートのハイライト。
難行苦行のはてにたどり着いた熊野本宮。いにしえ人の感動をあなたも体験できることでしょう。

発心門

発心門は現世と神域の境界になり、参詣者は新たな想いを胸に発心門に踏み入る。しばらくすると発心門休憩場があり、整備されたきれいなトイレがある。ここにNo.62の道標があり、熊野本宮大社手前の祓殿王子にあるNo.75まで500m間隔で現れる。
子安地蔵、庚申などの石仏と手造りの人形が参詣者を迎えてくれる。

発心門 発心門休憩所 発心門休憩所から祓戸王子75まで500m毎にある道標
発心門王子跡・看板 手作り土産 子安地蔵

水呑

水呑地区に入るとまず歯痛の地蔵さんが現れる。
うっかりすると見落としてしまうほど目立たない存在だが、効果絶大で現在も厚い信仰を集めている。さらに今年新たにバイオトイレが設置されている。
続いて水呑王子が現れる。王子の横に2体の地蔵があり、腰痛の地蔵として信仰されている。この地蔵に願掛けする特別な作法があるが、これは語り部から直接聞いてください。どんな作法かはお楽しみに。
さあ、これからは昔ながらの熊野古道に入っていき、整備された杉と檜の林を木漏れ日を浴びながら進んでいく。

歯痛地蔵 水呑王子跡 水呑王子

道休禅門

昔ながらの山道を進んでいくと、右側に小さな石仏が現れる。道休禅門と刻まれた石仏は、その昔ここで行き倒れた旅の僧のためにたてられたもので、今でも多くの参詣者が立ち止まり手を合わせている。現在も地域でこの石仏をまもっていて、冬には寒さをしのぐわらをまき、春には赤い前掛けを掛け替えている。今でこそ気軽に歩ける熊野古道も、その昔は命をかけた修行の路だったと痛感させられる。

石仏道休禅門. 枯れ葉のじゅうたんの熊野古道

伏拝

しばらくは茶畑の間の生活道路が続く。
道中には昔ながらの菊水井戸や各農家手造りの農産物無人販売があり、単調な路にアクセントを添えてくれる。
正面に見える小高い丘が伏拝王子で、ゆかりがあるとされる和泉式部の供養塔があり、眼下には明治22年まで熊野本宮大社があった大斎原が見える。京からざっと300km、難行苦行の果て熊野本宮大社を目にし、参詣者は想わず本宮大社を伏し拝んだ。そして、はるか彼方の峰々は熊野古道最大の難所大雲取・小雲取がみえる。その向こう側には那智の滝が・那智大社がある。
伏拝茶屋で名物の温泉コーヒーで一服する。トイレはここが最後なので要注意。本宮大社まではあと3kmだ。
NHK朝の連続ドラマ「ほんまもん」の舞台となった民家を左に、このコースハイライトの山路に入っていく。

68道標と昔懐かしい菊水井戸 伏拝王子 和泉式部供養塔
伏拝から大斎原を望む NHKほんまもんの撮影地  

三軒茶屋

伏拝から1kmほどゆるい坂道を下ると三軒茶屋に着く。三軒茶屋はその名の通り茶屋が3軒あったのが名の由来で、高野山からの小辺路と中辺路が出合うため、多くの参詣者が集まるところ。茶屋が3軒あったのもうなずける。今でもある石の道標が当時をしのばせる。
道標前に九鬼ヶ口関所があるが、本来は小辺路を少し下った集落にあったもので、ここに関所はなかったが、当時をしのばせる雰囲気を持っている。
当時の通行料は十文。はたして現在の金額にするとどれくらいなのか?

三軒茶屋 三軒茶屋道標 九鬼ヶ口(くきがくち)関所

祓所

三軒茶屋からの山路を抜けると一気に現在の住宅街が現れる。そのはずれ、現在の熊野本宮大社近くに祓殿王子がある。
祓所とも祓戸とも呼ばれるが、本宮大社に入る前心身を清める、つまり祓い清める場所という意味。さあ、本宮大社は目と鼻の先だ。

正面から見た祓殿王子 斜め横から見た祓殿王子 祓殿王子説明

熊野本宮大社

明治22年この流域を襲った大水害に大斎原にあった熊野本宮大社は流失。12柱の社殿のうち流失を免れた4柱の社殿が現在の位置に移築された。
現在の姿ですら荘厳な本宮大社だが、当時の本宮大社がいかに見事のものだったかしのばれる。
熊野本宮大社に参拝の後は大斎原まで足を伸ばしてみよう。

熊野本宮大社 本宮大社しだれ桜 大斎原